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2005年09月24日

日経1面特集「官を開く」

9月22日から、日経新聞朝刊1面で「官を開く」という特集連載が始まった。その第1回で、公共部門の業務がなぜ民間に移らないかという問題について言及されている。

読んでみると、まあよく聞く話で、役所は権限を手放したくないから、民間に移せる事業・権限を手放さないという論調。たしかに間違いではないが、こういった論調ではいつも必ず重要な視点が1つ抜けており、私はいつも歯がゆく思っている。

それはこういうことである。ちょっと具体例で説明しよう。
最近ではめっきり聞かなくなったが、「構造改革特区」を覚えているだろうか。中国の経済特区になぞらえたもので、ある一地域に、他の日本全国と異なった制度・規制(要は規制緩和)を認めるというものだ。
どぶろく特区、ロボット特区などが取りざたされたのをご記憶だろうか。

そんななかで、昨年春、ふぐ特区を作って欲しいという話があった。内容は、長崎大の研究チームが無毒ふぐの養殖技術を開発したので、ふぐ調理師免許がなくてもふぐを調理できる特区を認めて欲しいという話だった。しかし厚労省の判断は×。
この記事では淡々としか書いていないが、私は別の新聞でもっと核心を突いた厚労省職員のコメントを見た。趣旨はこうである。
「有毒無毒は見た目では区別がつかない。有毒ふぐが特区に紛れ込んで事故が発生したらどうするのだ。結局規制緩和した役所のせいになるんだ」
だから特区は認められないのだ、というのだろう。

みなさんはどう思うだろうか?私は、ここだけとれば、きわめて正論だと思う。
ただ、そういう理屈を持ち出して一切規制緩和しないというのもどうかと思う。結局は案件ごとのバランスの問題なのだろう。

一般に、経済界から規制緩和しろといわれ、役所が嫌だと抵抗しているものの中の相当数には、単なる権限・利権維持だけが目的でなく、このような社会の(一部/全部)利益を守っているものがある。

たとえばこのふぐ特区について民間に言われるままに規制緩和して、何か問題が起こっても、それは民間さんに言われたとおり規制緩和したからで、役所は一切悪くないよということができればどんなに楽か。しかしそうもいくまい。

もちろん役所としては、規制緩和に際し、問題が起こらないような最低限の措置をする責任は免れられないが、当初役所が規制緩和に付随して避けられない問題点として指摘したことがその後起こっても、「そ~れ見ろ」であって、それをマスコミに叩かれるいわれはない、という気もする。

もちろん、陸・海・空の交通安全規制や食品・薬品安全などをはじめとして、重大な利益に関わるものはそうもいかないだろうが、重い規制と軽い規制に分けて、後者は、規制緩和の後、多少問題あっても国民の自己責任だ(マスコミも文句を言うな、国民自業自得の論調を示せ)、というのがあってもよかろう。

いや、そうなっていないから、役人たちに、規制維持の方便を与えているのだ。何かあると政府に頼ろうとする国民性、政府を叩いてナンボのマスコミのあり方も、規制緩和が進まない原因のひとつだということを、マスコミは自分で究明する力を持たないのだろうか。

投稿者 nao_yamamo : 2005年09月24日 23:59

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