« 2005年10月 | メイン | 2005年12月 »
2005年11月26日
内からの改革ももちろん必要ですが…
11月22日の読売新聞夕刊に、環境省の若手グループが省内業務改革提言を行い、一部が実行に移されつつある、という報道がなされた。いいことだと思う。
ただ、私の実感として思うのは、やはり役所内でできることには限界があるということ(もちろん民間でできることにも限界があるが)。
役所の中だと結局しがらみがあるし、中にいると、こういう提案するといいと思うけどあの部局に迷惑だよな、とか考えてしまうし、「あいつは変なやつ」と将来に響いたら、なんて思うと、日々の雑務にかまけて、結局ほとんど何もできない。
絶対安定の裏返しとしての民間でのツブシのきかなさ。特権のように見えて実は足かせなのかもしれない。身分が邪魔することって、絶対あると思う。
数年間の役所生活で私の出した結論は、中から役所を変える(動かす)より、(マスコミの力を借りて)外から役所を動かすように「仕掛ける」方が面白いんじゃないか、ということだった。役人廃業も、まだまだだと思うけど、一応マスコミにも取り上げられるようになってきた。もっと発言力をつけて行きたいと思う今日この頃である。
*なお、このサイトは、お役所と敵対しているのかと思われている向きもあるようですが、そんなことないですよ。むやみやたらに転職を煽るわけでもなく、公務員制度のおかしいところは批判しつつ、理のない感情的公務員批判には擁護(反論)し、結局は官を良くして国全体を良くしようという発想に立ってます。
もちろん最終型は、官民の流動化の向上にあります。おそらく、冒頭の改革グループなどとは意見が一致すると思うのですが…。
ただ、官民流動化を全開にすると、現役公務員たちの出世競争は確実に辛くなるから、総論賛成各論反対となる可能性は否定しきれない気もしますが…。いちおう心配。
投稿者 nao_yamamo : 23:56 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月19日
トイレなきマンション
日々踊る、「公務員定数削減」「政府系金融機関統合」などの記事。
そんな見出しを眺めながら私は思い出した。
「トイレなきマンション」という言葉を。
意味をご存知だろうか。原子力政策に関わる言葉である。
核のゴミ(放射性廃棄物)の最終的処分方法を棚上げして原発を動かしてしまった日本の原子力政策を、このように言うことがあるのだ。
行政改革と何の関係があるかって?
減らすべき公務員をどう決め、どう処遇していくかを決めずに、数値目標(約束?)だけ定めた…。あとはどうする?そういうことである。いずれ困りはしないか。
…と、いってみたものの、実は困らないのかも。
私が「日本の論点」で述べたように、公務員が公務員性を失っても、国費で養うことには変わらない、そういう手法で済ますのだろうから…。
投稿者 nao_yamamo : 23:54 | コメント (1) | トラックバック
2005年11月18日
笑い事じゃないよ…
かつて書評で紹介したテリー伊藤の本「お笑いニッポン公務員」でなくとも、役所内に監視カメラをつければいいという意見は以前よりある。
そんなことされたら息苦しいとか、人権はどうなるとか理屈は出てきそうだが、税金をもらって仕事をしているわけだし、そしてかつて週刊文春で「公務員暇すぎる」と特集され、「不滅の役人天国」と本にされてしまった以上、監視カメラを付けられても仕方ないのかもしれない。
私は「公務員暇すぎる」については一部虚構説を唱えているが、カメラをつけることで逆に正しさを証明することになる、という意見もあるだろう。
両著についての書評はここ
というか、監視については、すでに民間企業ではやっている例もあるという。11月17日の日経産業新聞の記事だ。
マイクロソフトの「IPAサービス」。同社のスタッフが顧客企業の職場まで出かけ、そこの社員の働きぶりを朝から晩まで観察する。 監視ソフトで社員のパソコン使用状況をチェックするだけでなく、職場にビデオカメラを設置し、社員の仕事ぶりをすべて撮影する。その過程で「同僚との雑談が多過ぎる」「仕事に集中できる時間が五分しか続かない」といった行動観察データを記録する。 これらをレポートにまとめ、改善提案書として顧客に提出する。サービスの基本料金は三百五十万円だが、全国各社から対応しきれないほどの注文が舞い込んでいるという。
記事の結論は、プライベートな時間を含む24時間監視するような行き過ぎた例は見直しを、と締めくくられているが、インターネットの普及で、会社資源を利用して遊べる状況になっている以上、職場内での監視はやむをえない面がある。
防犯の世界では、万引きをしやすい(誘発する)環境にも問題があるという考え方があるが、人間は弱いもの。サボってしまう環境を作ることが問題だ、そういう考え方が出てきてもおかしくないほど、世の中は殺伐としてしまったのだ…。
民間も好景気でお目こぼしを…といいたいところだが、前回バブル時と違うのは、膨大な国の借金の増加である。甘くないよね。
公務員も、もう笑っていられないよ。
というか、オンブズマンがボランティアで役所を監視するよといったら、有志はまちがいなく集まるだろうし…。
問題(役人が反論する点)は監視することに関する行政の仕事の守秘義務と、監視業務の公平性だが、ボランティアよりも、逆に民間企業にした方が守れるのかもしれないと私は思う。
投稿者 nao_yamamo : 23:23 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月11日
キャリアだってMBAホルダーだって転職失敗するさ
今週発売の写真週刊誌「FLASH」(光文社)で、転職に関する特集(人材紹介会社の辛口ランキング)が組まれており、そこに興味ある発言があった。サクセス21の高橋勇社長である。
記事曰く
「最近は医師、弁護士だけでなく官僚の卵まで面接に来ます。弁護士事務所に入るより企業に就職したいと希望する人も増えていますし、去年は財務省、警察庁、農水省から20代のキャリア官僚も4人ほど来ましたが、そのうちの一人は外資系コンサルタント会社で仕事をしたいという希望者でした」
しかし、高級官僚といえども希望の仕事に転職できなかったという。
このくだりは何を言いたいのか。キャリアでも落ちるやつは落ちるよ(あるいみザマーミロっていう語感アリ?)、肩書きだけじゃダメに決まっている、そういいたいのだろうか?もちろん当たり前のことではある。
戦略コンサルファームは、経歴・肩書きは応募者をふるいにかけるためにだけ使って、あとはじっくり人物能力(ロジカルシンキング)を見るから、MBAホルダーでも平気で落とされるからね…。
投稿者 nao_yamamo : 01:28 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月08日
国費留学費用返還論争を超えて
読売新聞に「官僚『留学後に早期退職』 費用返還 最大1300万 来年法案提出」という記事が出たようだ。新聞報道なので、どこまで本当なのかわからないが、ついにきたかという感じである。この費用返還問題について古くから賛否両論あったのは、このブログを訪問されている方ならばご存知のことと思う。
そんな古くて新しい話題をこのブログで改めて取り上げたのには意味がある。実はこのたび私は、文藝春秋から毎年刊行されている「日本の論点」の最新版(2006年版。11月8日発売)の執筆機会を得て、この問題について論及させていただいたのである。本文を直接読んでいただきたいので詳細は書かないが、一言で言えば、返還論、不要(鷹揚)論を超えた立場での議論を試みた。ぜひご一読いただきたい。
とはいえ、こういう寄稿はどうしても紙幅が足りず、思うように論を展開できないものである。併記してある公務員制度改革論については、言葉足らずで反論がくるのだろうと思うと、無念な面もある。これを気に、著書執筆のオファーでもあれば嬉しいのであるが…。
【余談】
なお、国費留学後早期退職者の学費返還不要という考え方(鷹揚論)なんて本当にあるのかとお思いの方もいらっしゃるだろうから、この問題について論じたブログ(大方は、これに関するこれまでの新聞記事を受けてのもの)をひととおりリンクした。賛否で分類しようと思ったが、意見が読み取りにくいものも多かったので、分類しなかった。Googleで「留学」「退職」と入力した程度でどんどん引っかかるというのは、それだけ話題性があるということか。
(当ブログにリンクしてくださっている一部ブログには、時期はずれですがトラックバックさせていただきました)
のんびりエッセイ
ダメオタ官僚日記
むなぐるま
R30::マーケティング社会時評
Public Management Revisited
(R) Richstyles!
weblog @ masahiko.org
公共政策大学院生の蹇蹇録
Bewaad Institute @Kasumigaseki
SkillStorage.com(経営戦略.jp):
万歳!
Clip-Biasa aja
mono uno diary
Think Difficult! 同左サイトの別記事
日本の心 by アルマジロ
Titovの憂鬱
Cazperのつれづれ日記
世直しあるある探検隊が行く辛口雑記帳 天誅乙女の詩
会社にケンカを売った社員たち~リーガル・リテラシー~
行政書士になろう!Blog2!
せいしろーの独り言
空のつぶやき
ふゆう企画
Cahier
傍目八目
福禄太郎の時事評論
Ninohe Designers Works
ルパンの活動日記
投稿者 nao_yamamo : 21:38 | コメント (2) | トラックバック
2005年11月05日
アリとキリギリス
週刊東洋経済で公務員に忍び寄るリストラの影的な特集が組まれたのは周知のとおり。
あるいは、以前、今月の一冊で紹介した本「はめられた公務員」も、公務員社会へのリストラ到来を予言していた。
私は、ニッポン大破産社会に向け公務員リストラの迫りくる状況が、おとぎ話の「アリとキリギリス」の冬へ向かう状況のように感じてならないのだ。
あらすじを思い出してみよう。
アリは、秋のうちからせっせせっせと冬を越すための食べ物を集めている。一方でキリギリスは、歌って踊って遊んでばかりだ。
キリギリスがアリに聞く。
「アリさんはどうして働いてばかりいるのさ。もっと遊べばいいじゃないか」
アリは答える。
「餌のなくなる冬に向けて準備しているのさ。キリギリスさんは、遊んでばかりいて大丈夫なのかい」
キリギリスは答える。
「今遊ばなくてどうするんだい。冬のことはそのときがきたら考えるさ」
その結果はご存知のとおり。
確か、私が子供のころに読んだ絵本では、「やさしいアリさんは、こごえて助けを求めてきたキリギリスさんを巣に入れてあげて、食べ物を分けてあげました。キリギリスさんは、遊んでばかりいてはだめで、物事はしっかりと準備する必要があることを学びました。めでたしめでたし」
となっていたと思う。しかし、この結末は、国によって違うらしい。
つまり、外国では「アリは、こごえたキリギリスを食べてしまいましたとさ」という結末もあるらしい。
自然の摂理ではあろうけど、子供にはきついよね。
導入部分が長くなった。この比喩で何がいいたいか、お分かりになるだろうか。
世の公務員たちは、終わらないわが世の春を謳歌しているように見える。しかしそれはいつか夏、秋となり、必ず冬がくるはずだ。
そのときに、キリギリス精神のままであればどうなるか、ということが言いたいのである。言い換えれば、公務員のままであっても、普段からアリ精神を身につけ、いつ民間で働くことになってもいいような心構えをすべきだということである。あるいは、自ら率先してアリ社会に入る(役人廃業)という選択肢もあってよい。
また、この物語には結末がいくつかあるという話をしたのにも意味がある。
つまり、アリ(非公務員社会)が、ボロボロになったキリギリス(リストラ公務員たち)を助けてくれるかどうか、ということを問いたいのである。これまで公務員の置かれてきた立場を前提に、公務員リストラ時に一般国民が「ざまーみろ」という気持ちを持つことも理解できるが、それが社会全体にとって本当に良いことかどうかはまた別である。
誤解しないで欲しいが、リストラ公務員は民間で働くスキルが弱いから特別の職業訓練を受けさせようとかいう話ではない。民間側が、「もと公務員でしょ~」という蔑視をせず、受け入れてくれる、それだけでいいのだ。
それなくしては、キリギリスは、時計の針を冬に向けることに、決して同意しない(死力を尽くして抵抗する)だろう…。
そう、強い北風は、服を固く着込ませるだけなのである(北風と太陽)。
嗚呼、童話ってなんて含蓄が多いのだろう、と再認識した。
投稿者 nao_yamamo : 23:59 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月04日
役人廃業の中国版タイトルは?
「役人廃業」とは私の造語だが、この概念、実は中国語にも存在していた。
その名も「下海」(シアハイ)。
もともと中国は共産主義で、全部が国営企業だったが、経済改革で資本主義導入・企業の民営化が進む中で、自ら進んで国営企業を辞めて事業を起こす人たちをこう呼ぶらしい。
おお、まさに「役人廃業」ではないか…。
日本では「天下り」という、官尊民卑そのままっていう言葉があるけど、中国では海に下りるのだろうか…?でも天下りのように偉ぶった意味の言葉ではないのだろうな。
ちなみに、国営企業の縮小に伴うリストラを「下崗」(シアガン)と呼ぶらしい。日本もいよいよ、そんな時代が来そうである。私流に日本語訳を作れば、「役人失業」ということになるのだろうけど…。
投稿者 nao_yamamo : 23:55 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月03日
【11月の1冊】100枚の履歴書が紙くずになる衝撃
役人廃業体験談では、性質上、失敗談が集まりにくいという話は、以前もしたことがあると思うが、失敗談を勇気を持って公表されている数少ないサイトが、池澤さんのサイトだ。古い本なのて店頭での入手が難しいが、彼女の著書には含蓄が多いこともあり、Amazonでなら簡単に購入できるためぜひご紹介させていただこうと思う。
もともと栄養士志望。しかし紆余曲折をへて教員の道に。教師になるきっかけは、幸か不幸か、ある学校でのアルバイト経験だった…。夢を抱いて教職課程・教員採用試験をパスしたが、赴任した先は、身の危険すら感じる絶望的な環境だった…。
と書くと、学校ものの本かと思いきや、主題は、海外青年協力隊でのアフリカ体験の話。その前後に、公立高校教員としての凄まじい体験がつづられている。
結局彼女は、さまざまな経験の上、公立高校教員を辞職する。その後の苦労の経緯はこの本にはつづられていない。ただ、彼女はWEBサイトを開いており、そこで自分のキャリアパスを詳らかにしている。(役人廃業者リンク集にも所収)
公務員を辞めるとはどういうことか、100枚の履歴書が紙くずになるという衝撃の事実を、ぜひ感じ取っていただきたいと思うものだ。
(役人廃業者インタビューにもご登場予定)