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2005年12月27日
偉い人を担ぐという話
ちょっと前の日経新聞コラム「けいざい解読」で、国立美術館・博物館(独立行政法人)の市場化テストに関する話題が載っていた。文科省・文化庁の抵抗は半端ではないというのだ。
文化の日に文化人数十人が「文化芸術の振興は市場原理や効率性・採算性とは相容れない面があり一律に効率性を追求することは極めて危険だ」と断じた声明を発表、後日、平山郁夫画伯が文科大臣・文化庁長官に声明文を手渡した、という。
しかし、本当に偉い文化人の方々がここまで考えて独力で行動に出ているのだろうか?
元役人の発想で恐縮だが、結局誰か(独法関係者→役所現役/OB)が仕込んだ話じゃないのか、と邪推してしまうのは、私だけだろうか。
海外では、民間団体が美術館などを運営している。この声明で危惧されるような「展示が流行追求型になる」等の事例は寡聞にして知らないというのが記事の見解。
実際、美術館などに市場化テストしてみてどうなるかは、やってみないとわからない。それを、「あぶないあぶない」って、海外で失敗している例があるならともかく、とりあえず心配だけ先生方に煽って、行動にでてもらったのではないだろうか?
逆に海外の事例を先生方に説明すれば「そんなものか、大丈夫だね」というお話になるのではないだろうか…。
審議会行政において、役所の仕込みがあることは公然と知られているが、この話にも、同じ匂いを感じ取ってしまった私であった…。
「なにより市場化テストで優劣を競わないことには、役所が主張する独法の良さも肌に感じない」という記事の結論がしごくごもっともではないだろうか。
投稿者 nao_yamamo : 11:46 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月24日
会社とは何か その2
今回取り上げるのは、企業買収と株主の話を扱った記事である。
近年、個人株主の増加もあいまって、遺産の相続税物納で株式が国庫に入ることが増えてきたらしい。この場合、一時的には財務大臣が株主になるのだそうだ。
しかしこういった場合でも、いわゆる株主優待券などは発行されるので、財産を管理する財務局に届くらしい。
記事では、財務局の担当官が、株主優待券の類は厳重に保管し、期限が切れたら確実に捨てると発言している。まあ、国有財産から派生した優待券をこっそり拝借して使ってしまう不届き者を警戒しての措置だろう。
しかし、これって、莫大な借金を抱え、またその縮減に汗水たらしている財務省の役人の発言としてどうだろう。地方自治体は、オークションまで使って、物納財産、差押資産の切り売りを試みているというのに。
捨てるぐらいなら有効期限内に売れよ。そう思わないだろうか?
「考えることはある」「でも、制度的に不可能」彼らからは、そんな言い訳が返ってきそうである。
しかしね、「考えるだけで何もしない」のなら「考えていない」のと同じこと。逆に考えて提案したが上に阻まれた、なら上のせいにできる。これは無駄ではないよ。
ネット時代では、世論がもりあがれば、下がボトムアップして上にプレッシャーをかけることも十分可能なのだから。
ところで、公務員に業績評価を導入しようという古くて新しい議論がある。公務は民間のように数字で判断できるわけではないから恣意的になる、などの反発もあり、昨今の公務員制度改革でも取り上げられているが、なかなか議論が煮詰まらない。
すべてを評価しようとした完全な制度を、最初から大上段に構えるからだめなのである。
今述べたようなオークション導入のための制度改正でもいい、小さいこと1つ1つの改善提案を積み上げていく人、そういう人にプラス評価ができるシステムを、まずは作ってはどうだろうか。
とはいってみたものの、実は現在でも公務員には実は評価制度はあって、ボーナスで支給額の上乗せが行われることがあるのだ。しかし、庶務の人から聞いた話では、上乗せになるかどうかは事実上「順番」といわれた。現に、毎日2時間以上遅刻している人ももらっていたから驚きだ。
そんな制度があるなら、小改革提案者へのインセンティブ付与なんて簡単ではないのかな、と思うのであった。
投稿者 nao_yamamo : 23:49 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月23日
会社とは何か
「官を開く」が載る日経新聞朝刊1面の連載特集のコーナー。ここ数日は、現在第7部と、長期連載が続く「会社とは何か」。
お役所ネタとは一件無縁そうなこのネタにも、行政改革の影響なのか、官から民へ系のネタが登場した。
2007年、ICタグなどの最新の機材・設備を用いた、電子警備の刑務所が出現し、そこを運営するのは警備会社大手のセコムだという。
実は管理人は公務員時代、刑務官の知り合いがいて、市場化テストについて論じたことがある。なんだかんだいっても現場は人手不足。その刑務官は、過酷な労働の実態を市場化テストでさらして欲しい、民間ではとても担えない、むしろ待遇を上げろということになるから大歓迎だ、という意見を持っていた。
なるほど。しかし民間の技術と知恵はさらに先を行っていたようだ。現行より警備経費1割減を目指すらしい。
セコム創業者の飯田最高顧問は「請われれば官の役割も果たす」「事業は世の中が求めてこそ。公共心と利益は一致する」と述べる。
なんだか、記事内容は完全に「官を開く」じゃないか!
官が持ち続けてきた、官の無謬論、民の性悪説はこうして、瓦解の方向へ向かうのだった。
投稿者 nao_yamamo : 23:40 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月20日
【書籍紹介】転職ハウツー本
役人廃業を考える際には欠かせない転職ハウツー本を紹介いたします。
採用される履歴書・職務経歴書はこう書く
採用される転職者のための面接トーク術―モデル応答例付き 小島 美津子 (著)
人事担当者の眼を必ずクリアする履歴書・職務経歴書の書き方のポイントを具体的に紹介。書類選考で落とされる人は何回書いても同じ間違いをしている。就職情報誌のベテランライターが懇切丁寧に書き方を教える。また同著者は、あわせて面接に関するノウハウ集も出している。
面接の達人 2006転職版 面接の達人シリーズ
中谷 彰宏 (著)
転職希望者の必読マニュアル。就職面接の受け方に加え、履歴書の書き方、円満退社のノウハウ、税金・保険の手続きなど実務情報も満載。先輩の金言やインターネットでの情報収集法など、新情報を追加して今年もパワーアップ。
人事部長ヤドケンの実戦!転職道場―転職必勝のための秘伝書 あなたは、なぜ採用されないのか?
成功する転職完全ガイド―現役人事部長が伝授!転職活動のすべてがこの一冊でわかる!!
転職者のための面接試験必勝法―ここが試される!
谷所 健一郎(著)
転職市場の現状から、求人情報の集め方、履歴書・職務経歴書の書き方実例、面接応答事例に至るまで、転職活動に必要なことをわかりやすく解説したマニュアル本。人事部長経験者である「ヤドケン」氏の三部作といってもよいかもしれない。
特に職務経歴書は、営業職・事務職・リストラ転職など細かく分類して、具体例を紹介している。また、面接対策として、著者の実務家としての経験に基づいた、より実践的な回答例と模範回答を20ケース以上掲載。面接官の本音や転職者が犯しやすい失敗例など、現役人事部長ならではの視点から書かれたコラムも充実している。
仕事を勝ちとる履歴書・職務経歴書・カバーレターの書き方―「就職・転職」の成功文例が満載
橋本 佳奈 (著)
就職・転職・再就職に成功した人々の実例に基づいた豊富な文例、書き方例を掲載。巻末付録に自己診断のできるチェックリスト、応募直前のチェックポイントなどの資料付き。
転職者のための「履歴書・職務経歴書・添え状」の書き方実例集
HRS総合研究所
なぜ転職するのか?志望動機は?何がやりたいのか?どう生きたいのか?企業側は、応募書類からこれらのことを読みとろうとします。現在転職活動中で「応募書類が書けない」「何社に応募しても落ちてしまう」という人は、これらに対する答えを出していないか、もしくは効果的なアピールの方法が分からないのでしょう。そこで本書は、ビジネススキルの見きわめ方、読者のキャリア価値から導き出す、絶対受かる「履歴書」「職務経歴書」「添え状」の書き方を紹介しています。
投稿者 nao_yamamo : 16:00 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月15日
国よ、もっと戦え!
12月15日の日経新聞朝刊に「共済・厚生年金統合 与党が方針」という記事が出た。与党が、民の厚生年金と、官の共済年金の統合方針を決めたというのだ。 しかし、ここでネックとなるのが既得権の問題である。現に記事中では自民党関係者が「OBに踏み込まないと一元化は難しい」と述べている。記事によれば、財務省・総務省などは「財産権侵害として公務員OBの訴訟が頻発しかねない」と懸念しているそうだ。ほんとかよ?!
年金でいくらもらえるか、というのは、健康で文化的な最低限度の生活を保障するレベルにおいて決まるもの。現在、公務員共済より安い厚生年金レベルで十分合憲なのだったら、公務員OBも生活水準下げてよ、と堂々とお願いできるはずだろう。年金廃止というならともかく、ちょっとぐらい年金を下げることが、憲法違反になるとはとても思えないが。
ましてや、財産権の保障という意味でも、そもそも財産権の内容は法律によって具現化されるものなのだから、日本の国家を破綻させないために、法令改正して、年金を少し減額するぐらいは、何ら問題ないだろう。
というわけで、OBの年金に手をつけることが財産権侵害に当たるなどと軽々しく主張するのは、思考停止(要は、面倒くさい議論を避けたいということ)もはなはだしいと思う。
そこまででも財務省・総務省の主張に勝ち目はないと思うのだが、万が一彼らの主張どおり、OBが本当に訴訟を起こしたら…まあ世論から袋叩きでしょう。というか、国を相手に、世論を敵に回して戦うOBがそんなにいるとは、私には思えないですが…。
役人というのは言い訳の得意な生き物である。きれいごとを言ってみても、結局はOBたちに気兼ねして、既得権剥奪ができない、ただそれだけではないかと思ってしまう私であった。
投稿者 nao_yamamo : 23:48 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月 6日
公務員に労働三権を与えたら…
日経新聞の連載「官を開く」が再開された。今朝の記事は、なぜ公務員にはリストラがないのか、という切り口。制度上はリストラが可能なはずなのに、ある国会決議を根拠に、長年封印してきたのだ、という。
公務員の身分保障をなくす、あるいは緩和するには公務員に労働三権を与えることと引き換えだ、という意見がある。この記事でも国公労関係者が「身分保障をなくすなら労働基本権付与が必要」と話したと伝える。
それなら、警察・防衛・消防はともかく、その他の公務員はやったらよろしいのでは?と私は最近考えている。
しかし記事によれば、内閣官房幹部は「基本権を付与すれば組合が露骨に改革に抵抗する」と懸念する、という。
本当にそうだろうか?
最近、大規模な交通ストはない。ということで子供のころを思い出してだが、確かに交通ストは、合法的な争議権の行使ということで、年中行事というか、天災での交通マヒに近い感覚で社会もしかたなく容認しているムードがあった。
しかし、官公庁がストをしたらどうなる?
確かに、海外では公共ストも存在するようだ。が、公共ストに免疫のないこの国で、しかも恵まれているという社会的認識の強い公務員たちが「待遇改善」「待遇維持」「改革反対」的なストをしたら。マスコミの格好の餌食ではないのか?国民の反発を受けるのではないか?
組織や人員リストラ阻止のためのストなんて現実的にできっこない。ごく例外的な冤罪的リストラ事案であれば別として、通常は改革反対と映り、国民をいっそう敵に回すだけだろう。
民間の労使関係を見ても、平成不況下のリストラに対して、労組はそれを阻止する力を持ち得なかった。大きな構造的な変化の前では、労働基本権さえあれば何とかなる、そんなはずはないだろう。これは公務員でも同じである。
そう、私は、公務員への労働三権付与、特に争議(スト)権については、「抜けない刀」になってしまう可能性が強いと見ている。
公務員改革推進の立場から見れば、糊付けした刀を渡して、引き換えに身分保障を奪い取る、いい作戦なのかもしれませんがね(笑)。
投稿者 nao_yamamo : 23:57 | コメント (0) | トラックバック
2005年12月 3日
脱サラ、だったら…【12月の1冊】
「脱サラ」という言葉は完全に死語になったわけではないが、最近では「起業」が使われることが多く、そういう意味ではやはり死語に近い。
公務員もサラリーマンであり、役人廃業して起業すれば立派な脱サラなわけだが、今回は、民間企業からの脱サラ(起業)組52人への取材で構成されたルポルタージュ「サラリーマン、やめました」をご紹介する。
これは、実はかつて週刊ポストに掲載された連載の再構成である。
さまざまな書評を見る限り、著者の取材力の高さを評価する声が高い。確かにそうだろう。苦労して役人廃業者を見つけて取材している立場からしても、大変さはよくわかる。
内容としては、民間企業を脱サラ(起業)した人への取材を基にした話で構成されている。当然ながら、必ずしも成功例ばかりではない。失敗例はもちろん、評価未了のものも存在する。あとがきを見ると、雑誌連載後に状況が悪化した人の話も追記されている。
この本はあくまで、民間企業を辞めた人たちの話を集めたものだ。そこは役人廃業とは決定的に異なる。ただ、バブル崩壊以前、終身雇用制に絶対的な説得力のあった時代に、大手電機メーカーなどを辞めた人たちもいる。彼らは、役人廃業ときわめて類似する選択をしたといっても過言ではないと思う。
役人廃業して起業したいと考えていらっしゃる皆さんにこそ、是非お読みいただきたい本である。