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2006年4月23日

10万アクセス突破記念、久々に充実の書評!

タイトルにハッとして、ある本を手に取った。「伸びる会社の人財力」という本である。人材業界に属するものとして、早速読破した。
各界で活躍する著名人のインタビューをまとめた本だが、非常に感銘を受けたので、抜粋ではあるが、紹介させていただくことにする。

まず冒頭は、松井証券社長の松井道夫氏。

松井証券では退職金制度をなくした。「退職金が個人を会社に縛りつける『奴隷装置』だと感じたから」という。何十年も奉公すればご褒美をやろう、とばかりに従業員を縛り付ける制度で、個人が自由に生き方を選ぶ時代にはかえって邪魔だということのようだ。

私も薄々感じていたことだが、ここまでスパッと言われると、快哉を覚える。

公務員が転職に躊躇する理由として、身分の安定というものが言われるが、実は、勤務を続けることで2次曲線で膨らんでいく退職金の遺失利益で躊躇する人も多いのではないかと思う。松井氏の言葉は、実は公務員に対して向けられている言葉のように感じてしまった。
逆説的な言い方になるが、役人廃業に対するハードルの1つには、あまりに恵まれている退職金制度(生涯賃金保障)にあるといっても過言ではないだろう。

ベンチャー企業などでは、退職金がほとんどないところもある。転職が多いIT業界などでも、退職金を想定した生活設計をしない人も少なくない。業界にもよるが、時代は変わり始めている。
転職者が多い業界では、退職金を廃止して給料を上乗せした方が、従業員にとって親切、ということもありえるのだ。

次に、ニートに関する著書もあり、第一人者として知られる玄田有史氏のインタビューである。

彼は、人事部の人間は、他人の人生を左右する人事配置を決めているという「畏れ」を持つべきだという。これは私が以前から思っていたことに重なる。

よく、役人は人事の話が好きだとか、人事異動の時期になるとそわそわする、などと言われる。役人は出世を気にするからだという指摘もあるが、私はそれよりも、役人は人事異動ひとつで運命が大きく変わってしまうから、自分がどこで何をやらされるのかを気にしてそわそわするのだと考えている(これは、民間でも当てはまることで、異動を気にするのは役人特有でもなんでもないと思っている)。

具体的に言えば、霞が関の本省内の異動であっても、公務員は仕事が大きく変わってしまう。その部署に行って、その部署が担当する案件で事件事故(最近の例で言えば、耐震偽造やアスベストといったもの)がおきれば、部署は地獄の労働環境となる。
家庭崩壊、自身の体も壊れ、自分が悪いわけではないのに出世コースからはずされることも…。

白羽の矢が立って火中の栗を拾わされるのならともかく、着任してから起きるアクシデントは防ぎようがない…これも運命なのだが。

そういった、人生ゲームでサイコロを振るような部分まで含めて、人事という人たちは、他人の運命を握っているといえるのである。どんな会社・組織・役所を問わず、その畏れは持っていて欲しいと思う。

もちろん、転職を預かる仕事をしている自分もと、身の引き締まる思いだった。

最後に、「さおだけ屋」の山田真哉氏のインタビューについても触れておこう。いまでこそ売れっ子著述家となった彼も、実績のない頃は、出版社に見向きもされず、ノーギャラで小冊子に作品を掲載してもらい、地道に実績を作るという雌伏の時代があったようだ。

なるほど…勉強になりますね!

役人廃業を考える方にとっても、そうでない方にとっても、非常にためになる内容が満載。ぜひご一読をおすすめします!

投稿者 nao_yamamo : 2006年4月23日 23:16

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