【書評】官の詭弁学
福井政策研究大学院大学教授の著書。
総合規制改革会議における規制改革に向けた官庁側との戦いを、公開議事録とともに検証。
如何に役所側が非論理的に現行規制を維持しようとしてきたかを暴こうとしている。
<問題点>
原文(議事録)に忠実なため、経緯をちゃんと把握している人でないと、読んでいてスッと頭に入ってこないところもある。
論理的応酬のように見えて、そうではない→改革派は論理的だが、官庁側は「いなし」にきているので、議論がかみ合わず、はたから見ているとなおさらよくわからない。
<感想>
そんな難しい本だけど、国家公務員(特にキャリア組)志望者は、これぐらいのロジックについていけないと仕事にならないから、役所仕事とはどういうものかを(シニカルな意味でも)学べるという意味ではよい教材。
私の出身省庁が叩かれている姿も出ている。同情というのも変だが、元役人的に見ていると、どの役所も、次のような感じではないだろうか。
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「やべー、総合規制改革会議から、『○○規制』について目をつけられたよ」
「制度は変えられっこないから、うまく煙に巻いて来いよ」
といった意識で会議に参陣。そもそも変える変えないをフィフティフィフティで議論しようなんてつもりはない。
そして、会議では福井氏、八代氏といった改革派の急先鋒にロジカル・アタックをかけられる。
正直言って、取り上げられるような現行規制は、当初は政策的意義があったが、当初の目的を達成したり、社会事情が変わったため、存続に?がつくもようなものだ。
言い換えれば既得権があったりで省庁側も変えにくい(めんどうだ)から変えていないだけだったりする場合もある。触れてほしくない、というのが本音なのだ。
だから、ロジカル・アタックに耐えうる準備などろくにしていない。いや、正確に言うと、現行規制の論拠というのは、当初どおりの十年一日の理由だから、それをいっても「時代の変化にあわせて規制を変えるべきだ」というロジカル・アタックには反論にすらなりえないことが多いだけかもしれない。
すれ違い答弁をして逃げ切ろうとするさま、準備不足でおろおろするさまは、みていてこっけいとしかいいようがない(いや、あたかも確信犯のようでもあるが…たぶんそうなのかも)。
ところで、福井教授の出身省庁、旧建設省と戦っている話がないように感じるのは気のせい?
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