国家公務員(事務)経験談

辞める理由がネガティブなら辞めるな!

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国家公務員(事務)経験談

お名前

澤先生

経歴

旧通産省を辞めて東大教授へ

旧通産省を辞めて東大教授に転身された、澤先生です。役人廃業者インタビューとしては異例の(?)、若年退職に苦言を呈するインタビューです。


―公務員の仕事には民間にはない魅力がある、辞めるなんてもったいないというのがご持論とのことですが。

 なんといっても、国の政策アジェンダを設定し、それを実現にまでもっていけることが国家公務員の魅力だと思います。若い人たちは大きい部隊を仕切る仕事をしたことがないから分からないかもしれませんが、さまざまな人たちを相手に指示を出したり説得したりしながら、大きな問題を解決に導いていくことは、とてもやりがいを感じるものです。民間に移ると、どうしても動かせるリソースの範囲は小さくなると思います。

 また、行政組織の中にいると気づかないものですが、外に出るとさまざまな情報は自動的に入ってこなくなるものです。辞めてみて分かることですが、役所時代に比べて入手できる情報が大幅に減ってしまうので、政策立案などは難しくなります。行政部内での検討段階、審議会で表に出てこない部分、さらには政治と行政のやりとりなど、公的な政策形成コミュニティには一定の閉鎖性があり、情報が外に出てくるには時間がかかるものです。それゆえ一般に公開されるころには情報は古くなっています。

そのコミュニティから外に出てしまった以上、役所時代の水準でのリアルタイムな情報へのアクセスは難しくなるのです。ただ、ある程度の期間役所で働いたことのある人は経験的に、どういった情報がいつどこに行けば手に入るかというポイントがわかりますから、民間しか経験したことのない人に比べれば効果的かつ効率的な情報収集はできるでしょう。


―長く公務員生活を続けてきたご経験から、職業生活に関して、あるお考えをお持ちとのことですね。

 いままでの公務員のキャリア構築は、辞令で「これをやれ」と言われたことをやる役人人生(ファーストライフ)、そして天下り(セカンドライフ)という一本のラインしかありませんでした。しかし今後はそうではなく、公務員時代から通常の仕事(本務)と、それ以外のライフワークを並行して行うパラレルライフ的キャリア構築に取り組んでいくべきではないかと思います。

 一例を挙げると、…


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