千葉県立高校卒→郵政職員→文筆業
―はじめに郵政公務員の職種(外務、内務とか)および就職された経緯をお聞かせください。
高校生の時、年末年始に郵便局で外務のアルバイトをしたので、ごく当たり前のように郵政の試験を受けました。職種は健康に配慮して内務です。試験には合格したのですが欠員がなかったため採用が遅くなり、卒業してから採用が決まるまでの約半年は外務のアルバイトをしていました。
―郵便局の仕事に不満はありましたか。
職員となって最初の一年間は慣れないこともあって、不満をもつ余裕さえありませんでした。しかし仕事に慣れるにつれだんだんつまらなくなったのが不満につながり、早くも転職を考えるようになったのです。とはいえ当時の郵便局は現在と違い、若いうちに辞めるのは大損でした。そこで「郵便局は給料をもらう所」と割り切り、昇進も一切断って自分の進むべき方向を定めたうえで転職準備に取りかかることにしました。試行錯誤を繰り返したあげく選んだのが文筆業、というわけです。
―郵便局を辞めた原因は何ですか。
単行本を中心に出版社から仕事を取ってくるようになり、郵便局員との両立が難しくなったためです。
―辞めたのは何年目ですか。
アルバイトも含めて丸17年で辞めました。
―いまでこそ公社ですが、もともと安定した公務員。辞めるときに迷いや不安はありませんでしたか。
なかったです。逆に迷いや不安があるうちは辞めるべきではないと思います。
―辞める際、職場での引き留めなどはありましたか。
これもなかったです。引き留めるどころか私がなぜ辞めるのか知った人はみな「頑張って」と言ってくれました。
―退職に当たって、誰かに相談されましたか。
親に「文筆業が忙しくなったので郵便局は辞める」と言うと、「あなたの人生だからやりたいようにやりなさい」という返事がありました。
―郵便局を辞…