大学院(理系)修士中退→中央官庁→IT→コンサル業界を経て、資格試験予備校講師をしながら社会保険労務士事務所を開業
―役所を辞めて入ったIT系コンサルタントの道を捨てて、故郷に帰られたそうですが。
家庭の事情とその他自分の仕事を一度見つめ直したいという観点などから決断しました。
―なぜ社労士を目指すことにしたのですか。
IT業界にいた頃より、最近話題の偽装(擬装)派遣などの問題を認識しており、社会保険、人事労務関係で自分の経験が活かせるのではないかと考えたからです。また、選択肢の幅の広さという観点から、サラリーマン(勤務)でも開業でもどちらのスタイルを取ることのできる、社労士に魅力を感じていました。
―最近は社労士もけっこう競合が激しい気がするのですが、食べていけると思っていましたか。
もともと社労士の仕事だけで生活しようと思っていませんし、現に社労士の仕事だけで食べていません(笑)。収入の多くは、資格予備校での講義・講演などです。社労士として労働・社会保険関係のコンサルティングの仕事をする場合、本来の仕事の範囲をはずれる場合も結構ありますが、可能な限りアドバイスしたり知り合いを紹介したりしています。
すぐに収入に結びつかない仕事も多いですが、そのようなものであっても、いずれ何倍の利益につながるような仕事をいただくきっかけとなることが多いです。「損して得とれ」ということです。よく言われることですが、ワンストップを目指すためには他の士業とのネットワークおよび様々な知識が必要だと私も思います。
―たしか、IT系コンサルタントを退職されて、実家に戻って勉強を開始されたとか。
そうですね。もともとスキルアップのためにかねてから貯蓄していたので、退職しても勉強に専念することができました。主として資格予備校を活用し、半年間勉強に集中して社労士試験に合格しました。
―社労士を開業するには、確か実務経験が必要なのではありませんか。
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