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【元支援機関員が語る起業情報 No.7】 動く前に決める「個人or法人」「1人or数名」 1人ではじめるか、共同経営か?

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お名前

元中小企業支援機関員 川田康平 様

経歴

公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し昨年退職。現在は、全くの別業界に転職し活躍中。

今回も悩みどころなテーマを挙げて、気をつけたいポイントや豆知識などをお伝えしていきますね。
「1人ではじめるか共同経営か?」ということで、はじめて経営なるものをするにあたっての体制をどうするかと言ったテーマです。従業員を何人雇うか云々ではなく、共同経営の話です。最近多いのは、ネットサービス系の「作る人と売る人」みたいな関係でしょうか?

どっちがいいかの前に、まずは1人/共同経営それぞれのメリットデメリットを整理しましょう。

 

【一人】

<メリット>

・取り分は独り占め
→最初のうちは売上も少ないでしょうし、生活を考えたらこっちの方が手堅いかと

・裁量は最強
→時間も量も人もカネも好きにできる。正に一国一城の主

・経営判断が早い
→1人なら当然そうでしょうし、従業員が増えても(好き嫌いはあれど)ワンマン社長でいられます


<デメリット>

・リスクも独り占め
→実力の世界ですからね。その辺の覚悟はできてますよね?

・ノーを言う人がいなくなる
→実はこれが一番怖いんです。気づいた頃には大体手遅れだったりしますよね

・暴走しがち
→誰も止めませんから…。いつも言うことですが、相談できる相手は作っておきましょう




【共同経営】


<メリット>

・強みを補い、リスクを軽減できる
→やっぱり苦手なものは苦手ですしね…

・したい仕事に専念できる
→当然こちらの方が効率がいい

・経営のスピードが上がる
→効率がいいなら、当然業績も上がるはず!?



<デメリット>

・モメる
→共同経営はうまく行けば、本当にスピードが上がるしいいんですが、なかなかうまくいかないんですよね

・逃げられるリスクが出てくる
→「うまく行かない」くらいなら可愛いものです。ないとも限らない「逃げる、お金を持ち出される」などにどのように備えるか、ちゃーんと考えて手を打っておきましょう

・ある程度の規模になるとスピードが下がる
→「船頭多くして」とか「派閥」なんて言葉、公務員ならお馴染みですよね。結局似たような感じになってしまいかねません



さて、メリットデメリットを一通り出したところで思うところを勝手にいうならば、ベンチャーで「最初からドカンと立ち上げて…」の場合以外は(共同経営は)止めた方がいいと思います。あと仲間割れによるリスクヘッジが満足にできない人も、止めておいた方が。

仲間割れはホント多いんです。裏切られる逃げられる訴えられるは普通にありますよ。人間だもの。


とはいえ、やはり1人では不安という方のために、パートナー探しの際に少なくともこんな人とは組まないようにというのをいくつか。

・同業種、職種
→協業でいいのでは?業務範囲でもめますよ。公務員同士などもってのほか。誰が売るの?

・うまくいかない時のことを考えない
→多分その人、逃げますよ。話を振ると「何でそんなことを考えるんだ!」って怒ったりするかも。恋人の別れ話じゃないんですから、しっかり明文化することがお互いのためです

・口だけの人
→勝手に逃げるか、切ることになるかも。そもそも役に立たないし。共同経営しましょうと寄ってくるコンサルやVC、企業OB、何で食べてるかわからない人とかも要注意。逆に上手く行ったら豹変するかも。

・自分の意見を持ってない人
→どこかで悪い人にたぶらかされるかもしれません。今は大丈夫かもしれないけど、シビアに見ておいた方がいいかもしれません

 

最後に既にパートナーがいる方向けに、共同経営する際にこれだけはやっておいてね、というものを。

・主従関係をつけるべし
→最後まで意見が別れた時に、「対等」だと話が進みません

・(会社設立の場合)LLC(合同会社)の検討もしてみる<納得感のある独自ルールを定める>
→株式会社の場合は持株数が全て。苦しくなっても半分は持つこと。簡単にいうと経営権に関しても持株数に限らずローカルルールで縛れるのがLLCなんです

・ピンでも稼げるようにする
→昨今のお笑いコンビとかそんな感じですね。戻れる場所がある事で、ピンの仕事も柔軟に出来つつ、ブレずに済むと。ある意味長生きの秘訣かもしれませんね


まぁ、起業の動機としっかり向き合った上で冷静にご判断下さい。
この辺りから手段の目的化がはじまってることも多いんで。
間違っても「共同経営ってなんかかっこよさそう」なんてイメージだけで決めたりしないこと。

…ということでそろそろこのへんで。

 




【著者、川田康平プロフィール紹介】

公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し、昨年退職しました。 「小さな成功事例の積み重ね」が成果を生むという考えをベースに、「創業・新規事業開発」「マーケティング」「Web戦略」などのテーマで、セミナー・講座の企画に従事。起業家からの相談に答えていると次第にヒートアップし口が悪くなるのが玉にきず。

  ・好きなもの : 真っ当なビジネス、素直な姿勢、すぐ動く行動力、
 ・キライなもの : 偽コンサル、詐欺、セミナーマニア、かぶれがちな人、各種しがらみ


 現在は起業に関する情報や準備しておいた方がいい事柄などの知識は封印し、畑違いの業界で日々修行中。


 



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