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【元支援機関員が語る起業情報 No.2】 起業の様々なスタイル。「商売繁盛」か?「社会貢献」か?

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元中小企業支援機関員 川田康平 様

  起業をお考えの公務員なみなさま、時給換算で幾らの仕事をしてるか把握してますか?川田康平です。

さて、前回に引き続き【どっちを選ぶ? 起業のカタチ別 特徴と注意点】をテーマに、対極的な起業のスタイルを並べて、それぞれの特徴や注意点、方向性を決める際のポイントなどを解説していきます。

今回は、【「商売繁盛」か?「社会貢献」か?】ということで、実際に事業を回していく中での方向性について。
やるからには「ガッツリ儲けて、(高級車)に乗って、美味いもの食べて…」という考え・夢を持つ方もいらっしゃいますし、やはり日々の生活にハリや馬力が出ます。

まぁそこまで露骨な儲け至上主義とかではないにしろ、「やった分だけカネになる」楽しさは公務員時代には味わえないものです。
一方の「社会貢献」。仕事を通じて、何かしら社会に対してお役に立てれば…という考え、【色々と】あって忘れてしまいがちですが、きっと公務員な皆さんのDNAには組み込まれているはず。さてどっちに軸をおきますか?

 

<商売繁盛型>

◆特徴/注意点:

・頑張りがお金になるという、わかりやすいやり甲斐がある
(頑張り続けられることでないと、しんどいですよ)

・自分のやりたいように仕事ができる
(ので勉強とかいろんな人と話をしないと全く成長しない)

・商売優先なので、家庭や恋人がないがしろになることが多い
(この辺の話が積もると、「経営者は孤独」と思えてくるそう)


「誰にも管理されたくない」なんて方には最適な生き方ですよね。
一方で、(誰にも管理されないということは)自分で管理して全ての責任を追うということでもあります。この辺の覚悟が出来てない人が商売始めると、遅かれ早かれ迷走し崩れていきますね。

ホントに気を付けていただきたいポイントとしては、支援機関なりメンターなりを見つけて話す機会を作ってほしいということ。
一人の考えることなどたかがしれてますので、外と接触する機会がないとたちまち(嫌だったはずの)お山の大将になりますよ。



<社会貢献型>


◆特徴/注意点:

・社会課題の解決という大きな夢があるため、モチベーションが続く
(とはいえボランティアや別法人でNPO立ち上げとか、方法は色々。どのやり方が良いかしっかり考えましょう)

・「小商い」よりも事業プランのスケールが大きいケースが多い
(スキーム図書いたり、予算獲得のための調整などの経験が活かせます)

・社会貢献と利益を得ることとのバランスが難しい
(利益の方がないがしろになりやすいです、実際)


社会起業とかソーシャルビジネス、NPO。スタンスによっては企業のCSR活動やボランティア、プロボノなどなども含まれるかな。
厳密には別物ですが、大きく括ると全部社会貢献の手段になります。どのような社会課題にせよ解決するためには手間暇とお金とヒトが必要になります。

特にその際の「どこがお金を出すのか?」部分によってスタンスが変わると思いますし、誰も出さないなら自分が率先してそのための資金を作らねばなりません。



<商売繁盛型か?社会貢献型か? 方向性を考える際のポイント>


ここまで、対極的な2つのスタイルについて解説していきましたが、どちらが向いているだろう?どちらを選んだ方が自分にとって正解なのだろう?と考えるにあたってのポイントを3点ほど。


・そもそも何のためにわざわざ「起業」を選ぶのか?その1番の理由は?

→色んな理由や理想があるかと思いますが、最優先は何か?まで絞り込んで欲しいところです。
是非起業前に1度でもいいんで、心の中を丸裸にしてから、その他諸々の後付けをしていただけると。はじめてからこの辺に関して迷いが出ると、自身のモチベーションを保つのがしんどくなります。


・「自分」「お客様」以外に喜ばせたい対象がいるか?

→何にせよ基本はお客様の満足。これがないと売上がたたず事業継続もままならなくなります。もちろんそこに徹するのもいいことですが、稼いだお金や自分のアタマやカラダを使って他にも喜ばせたい対象がいるなら、どうすれば皆が喜ぶかをもう一捻り考える必要があります。


・一人でやりたいか/関係各位との協業が苦ではないか?
→社会貢献型特にNPO法人を立ち上げる場合、(やろうとしていることを実現するために)外部の企業や役所、関連団体などと連携する必要性が出てきます。よく言えばコラボレーションってやつなんですが、ある意味しがらみや便利使いされたりといった面も多かれ少なかれあります(クリーンそう、カネがかからない労働力などのイメージを持たれている印象が客観的にありますね)。

その辺を踏まえた上で調整し、各方面に対して適切な対応ができるか?と問うてみるといいかもしれません。苦手なら、本業で利益出して寄附するなりしてヨソに託すやり方でもいいのでは?


…いずれにせよ、気持ちや熱さ、正義感だけではじめると痛い目に合うのは間違いありません
せめて計画やお金について考える時だけは冷静にやっていただけると。


ということで今回はひとまずこのへんで。






【著者、川田康平プロフィール紹介】

公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し、昨年退職しました。 「小さな成功事例の積み重ね」が成果を生むという考えをベースに、「創業・新規事業開発」「マーケティング」「Web戦略」などのテーマで、セミナー・講座の企画に従事。起業家からの相談に答えていると次第にヒートアップし口が悪くなるのが玉にきず。

  ・好きなもの : 真っ当なビジネス、素直な姿勢、すぐ動く行動力、
 ・キライなもの : 偽コンサル、詐欺、セミナーマニア、かぶれがちな人、各種しがらみ


 現在は起業に関する情報や準備しておいた方がいい事柄などの知識は封印し、畑違いの業界で日々修行中。


 



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