今回からはもうちょっとつっこんで、起業の際に身につけたい知識をお話ししていきます。
とはいえ私、コンサルタントでも税理士でもなく「元」支援機関職員なので、細かいところは分かりません。
だからこそ、私が言う「最低限」というのは、リアルに最低限だと思っていただけたらと。
ということで今回から数回にかけて「お金」の話をします。ビジネスモデルやマーケティング、組織を作る話などなど色々と知っておきたい事柄はありますが、「事業継続」を考えた時に一番重要かなと思ったのでまずはじめに。
そりゃそうですよね。どんなに斬新なビジネスモデルでも、どれだけ優秀なスタッフを集めても、カネがないとお終いですから…。
逆に大した仕事やってなくても、経営者や上層部がバカばかりでも、相応の売上・潤沢な蓄えなどのカネがあれば会社は回っていきます。そういや今(前)の職場は、性質上潰れないですものね。
【かかる費用を把握する】
さて本題。そんな潰れない経営のための第一歩ですが、ズバリ
「かかる費用を把握する」です。
コレが分かっていると、
・必要な売上(売上目標)
・赤字と黒字の境目(損益分岐点っていいます)
・事業そのものの採算性(投資対効果)
なども見えてくるわけですよね。
確かに「とにかくたくさん売上を上げれば大丈夫」的な考え方もありますが、多分やってて怖くなるんじゃないかなと。
残りの燃料や速度が分からずに車を運転しているようなものですし。あ、ちなみに先生がやるセミナーでもよく「カネ≒燃料」ってよく例えられてましたね。
【開業資金と運転資金】
で、いざ起業前/後で出て行くお金を把握しようと考えても、中々すぐに「○○円」っていう具体的な金額が出てこないと思います。
ではどうするか?
まずは出て行くお金を開業資金と運転資金(開業資金→イニシャルコスト、運転資金→ランニングコストとも言われます)とに分類しましょう。最初にいくら必要で、起業後は月にいくらくらいかかるのか?を考えます。
それぞれのポイントを下記にあげていきます。
<開業資金>
広くて立地のいいオフィスやかっこいい家具、最新の機材などが本当に必要なのか?
資金が少ないならなにを妥協するか?
同じものを買うにしても何処で買うと安いか?
一括か分割・リースか?
新品か中古か?
などなど考え所はたくさん。何れにせよとにかく最初は安くしましょう。
そしてできる限り運転資金分に回しましょう。なにしろ必ず売上が上がり儲かる訳ではないですから…。
<運転資金>
自分の給料を含めるのを忘れないでくださいね。
最低限暮らして行くためには幾ら必要か?に加えて、家賃や水道光熱費、販促にかかる費用、交通費などなどをつけ足していきます。
あ、リース払いにしたものの支払いや融資を受けた場合の支払い(元本・利子)もコッチになりますね。
で、できる限り具体的に金額を出していきます。
最後に、それらをちゃんと紙にまとめて必ず信頼筋の第三者に見てもらうこと。
「これ、もっと安いのあるよ」「それ、あんまり使わないから◯◯で借りたら?」とかのアドバイスや、「ああ、それならウチにいらないのあるから…」といったラッキーなことがあるかもしれません。
さあ、早速見積もりだ♪
ではそろそろこの辺で。
【著者、川田康平プロフィール紹介】
公的な中小企業支援機関の職員として、中小企業や起業されたばかりの企業の支援に5年ほど従事し、昨年退職しました。 「小さな成功事例の積み重ね」が成果を生むという考えをベースに、「創業・新規事業開発」「マーケティング」「Web戦略」などのテーマで、セミナー・講座の企画に従事。起業家からの相談に答えていると次第にヒートアップし口が悪くなるのが玉にきず。
・好きなもの : 真っ当なビジネス、素直な姿勢、すぐ動く行動力、
・キライなもの : 偽コンサル、詐欺、セミナーマニア、かぶれがちな人、各種しがらみ
現在は起業に関する情報や準備しておいた方がいい事柄などの知識は封印し、畑違いの業界で日々修行中。