首都圏の某有力自治体の中級職→地方の市町村の中級職
―最初に首都圏の自治体の公務員になった経緯をお聞かせください。
就職難と言われ始めた頃、地元の私立短大を卒業したのですが、自分のやりたいことも分からず、また希望の職場にも受かりそうもなく、それならいっそ安定していて、しかもネームバリューのある自治体へ・・・と思って受験しました。今思うと、受験しようと思ったのは、自分のプライドとほとんど思い付きです。
―この公務員の仕事に不満はありましたか。
合格したこと自体は、大変光栄なことでしたが、配属先が希望外でした。これは、私だけではなく、同じ部署に配属になったほとんどの同期がぼやいていました。
何年か勤めるうち、意欲が出てきたので、目覚めたかな?とは思いましたが、都会の一人暮らしは、厳しいし寂しくって、結局、首都圏を去ることにしました。
―辞めたのは何年目ですか。
6年目くらいですね。
―安定した公務員。辞めるときに迷いや不安はありませんでしたか。
もちろん不安でした。首都圏に留まっていたら、夜間の大学に通うこともできるし、転職をするための習い事のスクールもたくさんあるので、もしかしたらこのまま辞めないほうが自分にはベターかも…と辞める直前まで迷いはありました。辞めますと言ってしまった手前、辞めなきゃいけなくなったような…という気もします。
―辞める際、職場での引き留めなどはありましたか。
特に引き留められたわけではありませんが、当時の職場のように恵まれた環境・待遇の自治体は他には珍しいことを十分認識していないと思われたのか、次の職場のことをしっかり調べた上での決断かどうかをしつこく確認されました。
―退職に当たって、誰かに相談されましたか。
両親と職場の友達です。直前になってから上司に相談しました。不合格になると笑われるからと思い、極秘で採用試験を受けに行ったので、職場の友達にも事後報告です。意外にも、「いなくなったら寂しい」と涙を流され…